まずは簡単に私のプロフィールをご紹介します♪
国立音楽大学声楽声科にて声楽を学ぶ。
卒業後は劇団四季に所属しミュージカルデビュー。「ライオンキング」等多数の演目に出演する。
退団後の現在は自身の演奏活動や舞台の他、テレビCMやアニメーションの演奏にも携わっている。ボイストレーナーとしても活躍中。
「歌うこと」がとにかく大好きで、沢山の歌を歌ってきました。
今日は私自身の経験と、ボイトレの観点から
ジャンルを問わず歌が上達するのに必要なことをよく聞かれる質問と合わせてお伝えしていきます。
なるべくわかりやすく、実践例も多めにお伝えします!
該当するお悩みの箇所だけ読んで頂くのでも構いません(*^^*)
興味のある方は是非最後まで読んでみてくださいね!!
もくじ
歌上達に必要な一つの“意識”
私たちは何をもって「歌が上手い」と感じるのでしょうか。
人は喋れる限り誰でも歌うことが出来ます。その中で歌の「上手い人」と「下手な人」がいるのです。
ではその違いは何なのでしょうか?
答えは、歌が上手い人は声のコントロールが上手い。
全てはここから始まると思います。
音痴さんも、声が小さい人も、すぐに喉が痛くなってしまう人も自分の「声」がコントロールできないからそうなってしまうわけです。
歌が上手い人はコントロールが出来るので正しい音程で歌い、リズムを正確にし、声を自在に操ることが出来るのです。
高い音を楽に出したい!喉を締めないで歌いたい!という目先の目標ではなく、
歌が上手くなる=「自分の声をコントロールすること」と考え方を変えましょう。
これだけでもっと沢山のことが出来るようになります!
歌上達の方法:声のコントロール
先ほど申し上げた通り、「歌が上手い」とは「声のコントロールが上手い」ということです。
「声を調整する力がある」と言ってもいいかもしれませんね。
結論としてはコントロールする力、調整する力を手に入れられれば、思い通りの声を出すことが出来ます!
しかし、「声」や「声を生み出す喉の中」は目に見えません。
ですので感覚で覚えることも多く、また、声を出すための目には見えない喉の筋肉を育てる必要があり、かなり地道な繰り返しの練習が欠かせないのです。
これから各問題に合わせて様々な練習方法をお伝えしますが、これらはすべて「コントロール力を育てる方法」だと思って読んでください!
歌上達の方法:音痴を治す
ここからはよく聞かれるお悩み別に解決方法などをお伝えしていきます!
まずは正しい音が取りにくい「音痴」について!
歌上達に欠かせない「音程」
歌の基礎中の基礎、音程!!
音程がよかったら歌はかなり上手に聞こえます。逆にどんなに美声でも、音程が悪かったら上手とは言えません。
音程は素人目でも一番わかりやすく目立つので、音が取れていないとそれだけで歌が下手に聞こえてしまいます。
音程は歌の最重要パーツと言えるでしょう!
音痴さんの原因と特徴
「声は出るんだけど音が取れない」
「脳でイメージしているのと違う音が出る」
「歌っているうちに正しい音がわからなくなる」
というお悩みをよく聞きます。
特に、
〇歌っているとつい感情が入って熱くなりやすい方
〇声量がある方
は音痴になりやすいので要注意です!
感情が入れられることも声量があるのも素晴らしいことです。
ですが感情を入れすぎたり、声を大きく出すと脳は感情を持続することや、声を出すことで精一杯になってしまい、冷静に音程を取る脳と耳がお休みしてしまうのです。
すると自分の声が客観的に聴けなくなり、自分では正しい音を歌っているつもりでも実は音痴、ということが起こってしまうのです。
イメージした音を再現できない理由
また「脳でイメージした音を再現できない」「音が違うのはわかるけど正しい音が出せない」という方も多いのではないでしょうか。
このなる原因は大きくどちらかにわかれます。(どちらもという場合もあります。)
①その音を出そうと思っても、喉の筋肉が足りなくて物質的に出せない
②出すべき音のイメージが弱い
まずは「①その音を出そうと思っても、喉の筋肉が足りなくて物質的に出せない」について。
思った通りの音を出すには、喉の筋肉を目覚めさせる必要があります。
例えば自転車を乗りこなせるようになるには何回も乗って身体で感覚を覚えていきますよね。
その工程が歌でも必要なのです。
つまり、音程を作るための喉の筋肉と感覚が確立されていないので、うまく音程をコントロールすることが出来ないのです。自転車で言うと補助輪をはずしてバランスを取ろうとしているけど転んでしまう状態です。
このような場合にはまず喉の筋肉を目覚めさせ、自転車と同じように何度も練習をする必要があります。
練習を重ねれば必ず音が出せるようになるので安心して下さいね!
☝具体的な方法については 本解説④『喉の筋肉を目覚めさせよう』『具体的な練習方法』に詳しく書いていますので、そちらをご参照ください!
その上で次の項目の方法で歌を練習してみてくださいね!
続いて「②出すべき音のイメージが弱い」について。
脳と声は直通しています。例えばものまね芸人がものまねをする時は、対象物の声や動きのイメージが頭の中にとても鮮明にあるはずです。
声や動きの細かい部分まで頭で鮮明に再生できるので、その記憶を頼りに自分自身へアウトプットすることが出来るのです。
イメージした音程で歌うというのも、この例と同じことです!
あなたがイメージしている音は、確実にあなたの脳内で再生出来ていますか?頭の中で音が聞こえていますか?
これが曖昧だと実際に出した声も不安定になり、音程が外れてしまうのです。
全然似ていないものまねをしている状態なのです。
ではどうしたらいいのか?
答えは簡単で、脳内で再生出来るまで繰り返し聞き込みましょう!
ものまね芸人の方も「○○さんの映像を何百回も見ました」なんてよく言っていますよね。
「じゃあ、正しい音で歌うためにこれから何百回も曲を聴き続けなきゃいけないんだ…」
と思うかもしれませんが、安心してください!
この「聴く力」はどんどん成長していきます。しっかり聴く習慣を付けていくと何百回も聴かなくても脳内再生が出来るようになってくるのです。
まずはA メロだけ、サビ部分だけ、と短いフレーズで取り組んでみましょう!
脳内で強くイメージが出来たら、それを頼りに「声」を出すことが出来ます。すると音程が取りやすくなるのはもちろん、声質や表現もあなた自身の声に取り入れることが出来るようになるのです!
音痴さんがやるべき練習方法
【小さい声で歌う】(※一番大事!!!)
ヒソヒソ声ではなく、ギリギリかすれない小さい声を出します。まずはその声で「あいうえお」と言ってみましょう。意外と難しいと思います!
その声のままなるべく音程を正確にしようと思って歌ってみてください。
そのとき、もの凄い集中して声を出し、ものすごい気を付けて音程を取りますよね。
その感覚です!!
それが音程をコントロールするという感覚です!!
大きい声で歌うときも、その感覚は必ずキープしましょう。“音程は自分でコントロールする”という意識が重要なのです!
【耳をふさぎ練習】
片耳、もしくは両耳を手で覆って歌います。
自分の声がよく聞こえるので音程のチェックがしやすくなります。
【録音する】
これもとっても大事です!スマホで簡単に録音できます。
録音が自分の声を一番客観的に聞くことができます。自分の声と向き合って、現状を自覚しないとなかなか本気で直す気になれないものです。(笑)
自分の声はどんなものか、勇気をもって向き合いましょう!
特に音痴になってしまっている箇所はしっかりチェックして、↑の【小さい声練習】【耳ふさぎ練習】で練習しましょう。次のカラオケではかなり良くなるはずです!
この繰り返しだけでも、音痴はかなり改善していきますよ!
また、記録として残すと成長具合を確認することも出来ておすすめです(^^)
【歩きながら歌う】
身体の力みを取る方法です。身体が力むと、連動して喉が閉まります。
その場で足踏みでもいいですが、出来たら歩き回りながら歌いましょう。
もしくは肩をぶらぶら揺らしながら歌います。
これをやるときは発声のことは考えず、体の力を抜くことだけ考えましょう。特に首の後ろが力むと音程が取れなくなります!
「体の力を抜いても声は出る」ということを実感してみてください。
【音源と一緒に歌う】
歌入りの音源と一緒に歌いましょう。
これも一度きりではなく少なくとも3回ほど繰り返すことをおすすめします。
歌手と同じ音を歌うので、音程があっていれば自分の声しか聞こえなくなるはずです。
音がわからない箇所はYouTubeなどで速度を落として再生し、ゆっくり確認しましょう!
カラオケで気を付けるべきワンポイント
音痴さんがカラオケで気を付けるべきワンポイントがあります!
カラオケでは、当たり前ですが音源(カラオケ)と一緒に歌いますよね。
その時に自分の声とカラオケをセットで聞くようにしましょう!
音程を取るのが苦手だと、ついつい自分の声だけに集中していませんか?
ですが、聞いている人からすると「声とカラオケが合わさった、トータルでの音」がきれいでないと音痴と思われてしまうのです!
自分の声とカラオケ、二つが合わさった音を聞くようにしてください!
そのほうが断然音程も取りやすくなりますよ。
歌上達の方法:出せる音の幅を広げ、声量アップ
「出せる音の幅が少ない」また「声がかすれて出ない」「声が小さい、細い」
というお悩みの方々です。特に女性の方によくみられます。
このような方は、音程や声を作り出すための喉の筋肉が未発達という場合がほとんどです。
喉の筋肉を目覚めさせよう
日常生活で私たちが使う声の音色や音程はとても限られています。同様に、使われる喉の筋肉もごくごくわずかです。
ところが、そのごくわずかな筋肉では歌で色々な音程を出すことはできません。
喉の眠っている筋肉を目覚めさせ、強化することで声も安定し音が取れるようになります。
これはちょっとした筋トレですので、残念ながら一回ではあまり意味がありません。ぜひ以下①~③を反復練習してみてくださいね!
具体的な練習方法
※参考音源がありますので、音源の真似をして練習してみてください♪
①サイレンの真似
パトカーの音を想像してください。音が上がり下がりを繰り返しますよね。
ハミングと呼ばれる「ン」の言葉で、この上がり下がりを何度か繰り返してみてみましょう。
○口を軽く開けて「ン」と言います。
○強くて大きい声は必要ありません!少し息を混ぜながら、ゆっくり上がり下がりするのがポイントです。
○慣れてきたら音の幅を広げてみましょう。より低い音から始め、より高い音まで昇ってみましょう。
○喉の筋肉をストレッチする効果があります。
②セミの真似
夏にミンミン鳴くかなりうるさいセミを想像してください。
まずはそれを再現してみましょう!鼻の付け根からするどく前に飛ばすように、「ミーーーーンミンミンミン」とセミの鳴き声の真似をします。
続いて、その声のまま「ミンッ ミンッ ミンッ」と短く言います。
○一つ一つ短く区切るのがポイントです。薄く、キンキンした音色を目指します。
○声量アップにとっても有効な方法です。決してふざけているわけではありませんよ!(笑)
③幽霊の真似
「う~~~~」というザ・幽霊の声を出しましょう。
ふくろうの鳴き声とイメージしてもいいです!
○なるべく息をたくさん混ぜて、幽霊らしい弱々しい声にすることがポイントです。
○3秒ほど伸ばすのを何度か繰り返しましょう。
○音程を取るための筋肉を育てる効果があります!
慣れてきたら①サイレン練習と組み合わせます。
幽霊の声をキープしたまま、サイレンのように音を上下させましょう。
※低い声になったときに強い声にならないよう注意しましょう。あくまでも幽霊の弱い声をキープです!
「出ない」と脳が思い込んでいる
声がかすれてしまう、声が細いという多くの方は
知らず知らずのうちに声の限界を決めてしまっています。例えば、
「ここから上の音はでない!」とか「こんな張りのある声は私には出ない!」といったものです。
この”無意識の決めつけ”とは厄介なもので、これが現れると指令を出す脳がどんどん臆病になって本当に声が出なくなっちゃうんです。
脳みそと声は想像以上に結びついているのです。
そもそも、歌手も素人も喉の構造や機能自体には大きな差はありません。ベースはみんな同じなのです。
歌手が高い音から低い音まで自由に歌えるのは、訓練を積んで出し方を覚えたからです。
人間である以上、ベースは同じなので訓練すればある程度必ず声は出ます。
いかし、脳が「出ない」と思っていると声は永遠に出ない(出せない)のです。
なのでまずはあなたの脳に、
「私、意外と色んな声出せるんだよ!!」ということを気づかせて潜在意識を取り払うことが大切です!
この場合もひとつ前の項目でご紹介した3つの練習方法が有効です。
また、ひとりカラオケで普段出さないような声をたくさん出してみてください。
例えばオペラ歌手の真似とか、ミッキーマウス、目玉おやじなど、声に特徴がある人やキャラクターのモノマネをしてみましょう。
このポイントはとにかく恥ずかしがらないで声を出すことです!
重要なのは出来栄えではなく、「これまで使ったことのない様々な声を出す」ということです。
色々な声を出してみることで、次第に脳は今までやったことがない声を出すことに慣れていきます。
すると「出ない!」という潜在意識が自然と解かれ、声量アップや音の幅を広げることに繋がるのです。
歌上達の方法:リズム感を手にいれる
音程の次に大事なポイントはリズムです。
「リズム感がない」「歌にメリハリがない」「どの曲を歌っても同じようになってしまう」
という方はこちらをご覧ください!
カラオケ音源だけ聞く
リズムに自信がない方は是非一度試して頂きたい方法です!
カラオケ音源だけを聞いたことってありますか?
カラオケやYouTubeなどで誰でも聞けますが、あまりやったことはないと思います。
歌いたくなる気持ちを我慢して、カラオケ音源だけを聞いてみてください。実はたくさん大事な情報がつまっています。
具体的なチェックポイントは以下の二つです!
【ドラムのリズムに乗る】
曲のリズムを決めるのがドラムです!ここがリズムの発信源でリズムのリーダーだと思ってください。
このリーダーを無視し、好き勝手に歌うとたちまちリズム音痴確定となります(゚Д゚;)
ドラムをしっかり聞いて、どんなリズムが刻まれているのか確認しましょう。
そして大事なのは、歌うときも常にそのリズムが刻まれているということです。
今までこのリズムを無視して歌っていませんでしたか?
ドラムのリズムをよく聞くと自然とリズムに乗ることができ、且つリズムのズレも防ぐことができます。
リズム感がなくてのっぺりしてしまう方は頑張ってリズム感を自家発電して生み出すより、ドラムのリズムに寄り添っていきましょう!
また、リズムがずれそうになったときもドラムのリズムを聞いて正しいリズムへ戻りましょう。
【カラオケ音源を味方につけよう】
バンドの構成は[歌+その他の楽器]というイメージの方が多いと思いますが、言ってしまえば歌も楽器のひとつにすぎません。
もちろん主役は歌ですが、歌を含めた全部の楽器の音が組み合わさって曲は完成します。
私もよくカラオケ音源だけを聞くのですが、いつも楽器のカッコよさに感動します。
歌ってると聞こえない細かい音や、ドラムの音色が変わっていったり、サビの前に盛り上がるサウンドを聞くと、歌いたくてうずうずしてきます(笑)
と同時に、「ここはこういう音が鳴ってるから、優しい歌い方にしよう」とか「ここはドラムが激しいから情熱的に歌おう」とか自然と歌い方のビジョンが見えてくるのです。
すると頑張ってリズム感を出そうと思わなくても自然と曲にメリハリがついてきます。
何より歌うのが数倍楽しくなり、リズムがずれにくくなるのです。
歌は一人ではありません!素敵なバンドがいつも支えてくれていると思って、バンドと一体化する気持ちで歌うと、自然と表現の幅が広がり、歌にメリハリがつきますよ。
滑舌よく歌う
ボソボソとこもるような声で歌うと、リズムがどんどん不明瞭になりリズム感がなくなってしまいます。
日本語はすべて『子音+母音(あいうえお)』という組み合わせで出来ています。
この、あいうえおの母音がはっきりしないと滑舌は悪く聞こえ、ボソボソとこもった声になります。
歌うときには母音をはっきり発音するようにすると、音が粒立ちリズム感が出てきます。
歌上達の方法:喉声を解消する
「歌うと喉が痛くなる」「声がすぐ枯れる」「喉声なので正しい発声を知りたい」というお悩みをよく聞きます。
すぐに喉が痛くなってしまったり、声を出すのが苦しいと楽しく歌えませんよね。
喉声になってしまう人の特徴・原因
「しっかり歌を歌おう!」
「歌だから大きい声を出さなきゃ」
と思っていませんか?
喉声になりやすい方は無意識にこう思っている場合が多いです。
性格的にちょっと真面目な方が多いかもしれません。
こうなる気持ちはよくわかります!歌って日常的なことではないですから、いざ歌を歌うとなるとつい頑張りすぎてしまうのです。
しかしひとつ問題があるのです。
脳と喉は直結してる
脳と喉の筋肉は直結しています。
ですので脳が「しっかり歌おう!」と思うと、喉の筋肉は硬直してしまうのです。
その上でさらに大きい声を出そうとすると、喉の筋肉はより一層緊張し、これが声枯れや喉声を作り出す原因となってしまうのです。
『お腹から声を出す』は間違い
そもそも「喉声」とは、れっきとした決まりがあるわけではないのですが、
“喉の筋肉が必要以上に力んでいる状態で発せられる声”と言えます。
「じゃあ喉に力を入れず、お腹から声を出せばいいんですね!」と思う方が多いと思うのですが、それは少し違います。
④の項目に書いた通り、歌はある程度喉の筋肉を使わないと歌えません。
そして、当たり前ですがお腹から声は出ません。「お腹から声をだして」と言われるのはあくまでイメージのお話で、実際に声を生み出せるのは喉だけです。
喉声というと悪いイメージがありますが、喉は歌う上で最も大切なパーツで使えないと歌えません。
よく「沢山歌うと声が疲れる」という悩みを聞きますが、これはある意味当然のことで、プロであっても長時間歌えば声は消費されて疲れるのです。
歌を歌うことは喉を使うことです。
喉声さんの課題は「喉を使わない」ことではなく、「入りすぎている力を抜く」ことなのです。
具体的な練習方法
では具体的な練習方法をご紹介していきます!
基本的に喉声の方は喉や体に余分な力が入ってしまっているので、それらを緩める方法となります。
【体のリラックス】
最初に述べたように、喉声になりやすい方は無意識のうちに
「しっかり歌おう」「声を大きくださなきゃ」と思ってしまったり、歌っているうちについ熱くなってしまいます。
この時に必ず起こるのが体の力みです。これは敵です!!
特に肩、首、鎖骨周りが固まると喉声まっしぐらです。
歌っている最中に肩首が固まっていませんか?チェックしてみましょう。
【幽霊発声】
脱力して声を出す練習です。
①全身ダラーンとしましょう。幽霊の真似をする感じです。
そのまま幽霊が歩くように軽く足踏みをします。
②足踏みを続けながらギリギリかすれない小さい声で歌ってみましょう。
本当に小さい声でいいです。
どうですか?声は小さく張りはないですが、歌えるには歌えますよね?
この練習で感じて頂きたいのは、
「こんなに脱力して喉に全く力をいれなくても、歌えるっちゃ歌える」ということです。
つまり、全身ダラダラでも声は出るので、思うより喉も体も頑張らなくていいということです!
頑張って歌わなくていいんです!あと、マイクがあるので大きい声も無理やり出す必要はないですよ。
喉声さんは力を抜いて楽に歌うほうが、結果的にバランスが整って上手に歌えますよ!!
【首でチェック】
こちらは目でチェックできるわかりやすい方法です!
①まず鏡を用意してください。そして自分の首を映します。
すこし高めの音で、甲高い悲鳴をあげるようなイメージで「ヒイーーーーー」と言います。
すると首の皮が上に引っ張られ、縦に筋が入るのが見られると思います。
この首のくっきり筋が入ると喉声になります。普段歌うときに、この筋が少しでも出ていませんか?
②続いて、お経を唱えるようなイメージでなるべく深く低めの声で「おーーーーー」と言います。
するとさっきの首の筋が消え、首の皮が下に引っ張られるような様子が確認できると思います。
このときは①でやった、喉声を作り出す原因となる筋肉(首の皮を上に引っ張り、筋をつくる筋肉)はお休みしています。
喉声さんは、①の状態にならないように②の状態をキープして歌いましょう!!
もちろん歌っている途中で状態が多少変わるのはokですが、「ヒイーーーーー」で確認した首の筋がくっきりしてきたら要注意!と覚えておいてください。
歌上達の方法:自分の声を大事にする
ネットやボイトレの本にはたくさんの「声の名前」が登場します。
特に有名なのはミックスボイス、ミドルボイス、ファルセットなどなど。皆さんも耳にしたことがあると思います。
声の種類に囚われるな!
こういった名前は確かに音色を区別するという面では大変便利です。
ですが声とは無限大の可能性があり、必ずしも「この声はミックスボイス!」「この声はヘッドボイス!」ときっちり分けられるものではありません。
一番大事なのは「自分の声を最大限に活かす」ということです。
言ってしまえば名前なんてどうでも良いのです。お客さんは声の種類を聞くわけではないです!
最近は「ミックスボイスがだせるようになりたい」と言ってレッスンに来られる方が度々いらっしゃいます。
目標があることはとても良いことですが、最初から声の種類に囚われて頭でっかちになるのではなく、まずは今ある自分の声を見つめ、
シンプルに今の自分の声はどうしたらもっと良くなるか?ということを考えましょう!
その試行錯誤を続けていった結果、喉の筋肉が育ち感覚が研ぎ澄まされ、ミックスボイスやファルセットなど様々な声が自在に出せるようになるのです。
どんな声で歌っても自由!
ヒゲダンの”Pretender”とかキングヌーの”白日”とかすごく流行りましたよね。でも歌うのはめちゃめちゃ難しいですよね(>_<)
最近の流行りの曲は音程の上り下がりが激しく、難易度が上がってきています。
あの声をマネするのはとても難しいと思います。
ところで、カラオケで本人に声が似ていると「似てるー!」と褒められる場面を経験したことがある人は多いのではないでしょうか。
そこで思うのですが、カラオケで本物に似せて歌う必要ってそんなにあるでしょうか?
似せて歌うなというわけではありません。ただ、もっと自分らしく自由に歌ってもいいんじゃないかと思うのです。
当たり前ですが、歌には「この曲はこうやって歌わなきゃいけない!」なんて決まりはありません。あなたが歌いたいように歌っていいんです!
というか、それが楽しいのです。
私は歌いづらかったらキーもバンバン下げていいと思うし、音色も似せて歌う必要は特にないと思います。
「本物とは違うけど、あなたのもかっこいいね!」と言われたらそれも十分素晴らしいことだと思うのです。
そもそも人によって声は大きく違うのですから、「似てる」「似てない」にこだわらずあなたなりの「いい声」で歌うことを楽しみましょう!
そうしたら、カラオケが苦手な方ももう少し荷が軽く歌を楽しめるんじゃないかな、と思うのです。
歌上達の方法:姿勢を正す
これまで述べた音程やリズムは目に見えませんが、姿勢は目でチェック出来ます。気を付ければ誰でも確実に治すことが出来るお得なパーツです!
そして何より歌は身体が楽器となります。「たかが姿勢」とあなどれない、非常に重要なパーツなのです。
例えばギターのボディの部分やピアノの中身は、音が最大限にきれいに響くように作られていますよね。
歌はそれを自分の身体を使ってやらなくてはいけません。
つまり姿勢を整えるということは、楽器である身体が最大限の力を発揮できる状態にするということです。
中でも歌うときに一番気を付けたいパーツがあります。それは...
顎、首が出ない
これです。スマホなどの影響で現代人は首と顎が前に出てしまいがちです。
「スマホ首」と呼ばれるやつですね。下の写真のようにスマホを操作する際に顎と首が前に出てしまい、真っ直ぐ立ったときもこの姿勢が抜けなくなってしまうのです。
今までたくさんの生徒さんをみてきましたが、こうなっている方が本当に多いです!
首が出ると喉の筋肉は固まり、本来できる動きができなくなってしまいます。
すると喉が枯れやすくなったり、音程が取りづらくなったりと良くないことが沢山起こります。
特にスマホ首で高音がうまく出ている人は見たことがありません(>_<)高い声を出すためにはスマホ首は絶対NGですよ!!
チェックの仕方
後頭部、首、肩を一本の線が通るよう垂直に立てます。頭のてっぺんが上に引っ張られるようなイメージを持つとわかりやすいです。
鏡に向かって横向きで立ちます。首がまっすぐになり、耳の真下に肩があればOKです。
※首を立てようとして顎をひいてしまう方がいますが、そうではなく頭全体を後ろに引っ張るイメージです。
猫背を直す
次に気を付けたいのが猫背です。これも歌の上達をかなり妨げてしまいます。
背中が丸まり胸が内側に入るとしっかり呼吸することができません。するとフレーズが続かなくなり、声量を出すことも難しくなります。
また、猫背になると肩が前に出るのにつられて首周りが縮みます。
すると喉の筋肉がうまく動作できなくなり、音が取れない、高音が出しづらいといった問題も出てくるのです。
とにかくいいことはありません!(笑)
歌う時だけに限らず、ついでに普段の姿勢も変えていきましょう!
チェックの仕方
スマホ首のチェック法と同じように後頭部、首、肩を一本の線が通るよう垂直に立てます。
鎖骨の真ん中より少し下の部分が内側に入らないように気を付けます。ぐっと突き出すようなイメージをもちましょう。
鏡に向かって横向きに立ち、耳、肩、腕が一直線になり中指が太ももの真横に沿っていればOKです。
歌上達の方法:レッスンで得られること
最後に、この記事を読んでくださっている方の中には歌のレッスンに通うべきか悩んでいる方も多いかもしれません。
私の意見としては、「迷ってるなら一度受けてみて」です。
特に初心者の方はまず受講することを勧めます。
ちなみに、私はこれまで音大や劇団以外でも沢山のレッスンを受けてきました。プロを目指していた若いころは週1で個人レッスンに通い、プロとなった今でも月に1回はレッスンを受けています。
レッスン受講歴約15年の私がレッスンに通ってよかったと思うこと、大変だと思ったことなど「歌のレッスン」に関して最後にお伝えしていきます(*^^*)
メリットとデメリット
まず、私が思うレッスンのメリットとデメリットをまとめてみました。
・客観的な目線から声を導いてもらえる
・プロの先生の声を聞いたり、他の生徒さんと触れ合うことで刺激がもらえる
・次のレッスンがあるので、自動的に練習するようになる。結果モチベーションを維持できる。
・レッスンでは本気で歌うので嫌でも自分のレベルが認識できる
・レッスン代が高い
・教室選びや先生選びを間違えると苦しい思いをする
自分の声は自分じゃわからない
私がレッスンの一番のメリットだと思うことは、
声を客観的に聞いてくれる人がいるということ。
例えばスポーツ選手には必ずコーチがいますよね。コーチに正しいフォームやコンディションを客観的に判断してもらい、二人三脚でより良いパフォーマンスを目指すのです。
歌も同じで、客観的に声を聞いてもらうことで自分では気づけない癖や弱点を見つけることが出来ます。
また私は今でもッスンに通っているとお伝えしましたが、私だけでなくどんなに成功した有名な歌手でもレッスンに通い続ける人は多いです。
それだけプロであっても自力で自分の声を完璧にコントロールするのは難しいということなのです。
継続が歌上達に欠かせない
レッスンに通うメリットは技術を学ぶこと以外に「モチベーションをキープできる」というのが大きいと私は思います。
例えば私の場合、最初に習った先生はとても厳しく、怒るとめちゃめちゃ怖い先生でした。
次のレッスンで怒られたくないので必死に練習しました。でも、いざレッスンで歌うと自分の歌えなさに落ち込み、また練習を頑張ろうと思い、必死に練習し…そのサイクルの結果知らず知らずのうちに歌が上達していました。(笑)
でも、途中でサボりたくなってレッスンに通わない期間があったんです。
するとどうでしょう、それまで右肩上がりだったモチベーションが下がり、練習頻度がガクッと落ちたのです。
当然歌も下手になり、この前まで出来ていたことが出来なくなっていました。
つまり何が言いたいかというと
「歌は継続が確実に力になる」ということです。
もちろん、続けたいと思う動機は楽しい気持ちであるに越したことはないですが、この継続する力をもらえるのが「レッスン」だと私は思うのです。
歌は他の楽器と違い身体が楽器となります。ですのでスポーツと同じように歌うのに必要な筋肉や感覚を養う必要があります。これは残念ながらすぐには手に入りません。繰り返しの練習、つまり継続が必要なのです。
例えば、「身体を引き締めたい!」と思ってスポーツジムに通ったとします。スタートして1か月位は誰でも頑張れると思いますが、途中で仕事が忙しくなり、ジムに通えなくなったらどうなるでしょうか。
なんとなく気持ちが離れて、ジムに行かなくなる人が多いと思います。すると当然引き締まりそうだった身体も元通りになってしまいますよね。
一方で、心機一転してまたジムに通いはじめたら、周りのムキムキの人やマッチョのトレーナーに刺激をもらい、またやる気が湧き上がってくるかもしれません。その結果、見事引き締めボディを手に入れられるかもしれません!
歌のレッスンもこの例と全く同じことです。
忙しい生活の中で何かを継続して行うのは難しいことですが、そんな方こそレッスンに通い、自動的に歌う環境を取り入れることをおすすめします。
レッスンで得られる刺激や発見があなたのモチベーションを上げ、より楽しく歌を歌っていただけたらとても嬉しく思います!!
気を付けたいこと
ここまでレッスンのメリットの方を詳しく書きましたが、レッスン選びで気を付けたいこともお伝えしたいと思います。
まず「レッスン代」についてです。
・個人レッスン/1回5,000~10,000円程度
・グループレッスン/1回2,000~4,000円程度
このように、歌のレッスンは安くありません。
グループレッスンだと値段は抑えられますが、内容を考えると個人レッスンの方が断然おすすめです。
レッスン代は安くないので、教室選びは慎重にしましょう!!
高ければいい、というわけではないですし安ければいい、というわけでもありません。
大事なのはそこで教えている先生です!
例えば、全国展開している大きなスクールは要注意です。誰でも体験レッスンが受講できるので私もかつて10校ほど受講しました。
そこで驚いたのは先生のレベルのばらつきです。とても信頼できそうな先生もいれば、ピアノも全く弾けない、ドレミも読めない、歌も大して歌えない、というカラオケレベルの先生もいたのです。
大きいスクールになればなるほど大勢の先生がいるので、レベルにばらつきがあるのは当たり前といえば当たり前です。
ですが安くないお金を払って信用できない先生に習っては意味がありません。
教室選びと先生選びは重要です。
必ずまずは体験レッスンを活用し、信頼できそうな先生がいるかどうかチェックしましょう。
(↓こちらの記事に[体験レッスン]について詳しく書いております。より詳しく知りたい方は是非お読みください!)
大事なのは”誰に習うか”
最後に「歌のレッスン」についてまとめたいと思います。
色々なことを書きましたが「歌を上達させる」上でも「レッスンを継続させる」ためにも最も大切なのは
『自分に合う先生を見つけること』です。
これであなたの音楽ライフはがらりと変わります!(笑)
先生も人間ですから色々な性格の人がいます。感性や価値観も人それぞれですし、伝え方ひとつ取ってもみんな違います。
また、人間と人間ですから当然「合う、合わない」もあります。
「教え方が自分にとってわかりやすいか」「レッスンの雰囲気は自分にとって心地良いか」
というこの二点はとても重要で、歌の上達スピードやモチベーションの持続に深く関わってきます。
「レッスンに通えば必ず歌が上達する」のではなく、「良い先生にめぐり会い、あなたの気持ちが続けば歌は上達する」のです。
(もちろんゴールは「歌の上達」だけではなく、「楽しく歌うこと」でも「かっこよく歌うこと」でも何でもいいです!)
何より、自分に合う先生を見つけることであなたの感性がぐっと広がり、歌うことがより楽しく楽しくなるはずです!
レッスン選びは先生選びです。ぜひ、あなたにぴったりな先生を見つけてもっともっと歌を楽しんでください!
最後に
ここまでお読み頂きありがとうございました!!
様々な問題別に練習方法などをお伝えしましたが、ひとつでも「なるほど!」と思っていただけることがあれば嬉しいです。
私は約2年前からボイストレーナーとして教え始めたのですが、「歌が上手くなりたい」と思っている方が多いことにとても驚きました。
理由は人それぞれですが、多くの方が「歌」に魅力を感じているのがとても嬉しかったです。
歌の最大の価値は、鼻歌やカラオケで「楽しく歌う」ことで、こんな細かいボイストレーニングなんてそんなに重要なことではないかもしれません。(笑)
けれど、「歌が上達すること」に少しでも興味を持ちこの記事を読んで下さったなら、きっとあなたは「歌を歌うことが好き」なんだと思います!
その気持ちを大事にしてほしいですし、是非「下手だから」「音痴だから」と言って卑屈にならず、気軽にボイトレの扉を叩いてみてほしいと思います。
歌は誰でも歌えます。子供からお年寄りまでみんなに平等に与えられた素晴らしい楽器です。しかもその楽器は一つとして同じものは存在しない、唯一無二のものです!
是非「歌うこと」をもっと身近に感じ楽しんでいただきたいと思います。
私の唯一の特技である「歌」に関する知識が少しでもお役に立てていれば嬉しいです。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!!
みっきー