「耳コピ」。皆さんは、この言葉を1度は聞いたことがあるかと思います。
何を隠そう、わたし自身も、趣味は耳コピ、特技も耳コピという完全なる「耳コピバカ」でございます(笑)。「耳コピ」とは、聴いた音を耳の記憶だけを頼りに真似して演奏することです。
こうして聞くとなんだか特殊能力の持ち主と思われるかもしれませんが、わたし自身は、耳コピは「誰でも出来うる能力」だと思っています。
この「耳コピ」ができるようになるまでのプロセスを、何回かに分けて解説していきたいと思っていますので、「耳コピができるようになりたい!」など、興味のある方は是非この記事から読んでみてください。
今記事は、その導入編になります♪
「耳コピって何?」「耳コピって何かの役に立つの?」「どうして耳コピをするのが好きなの?」などの疑問を紐解いていきましょう!
もくじ
そもそも、耳コピとは?
「耳」で「コピーする」こと
「耳コピ」は「耳」を使って「コピーする」ことです。
前述の通り、聴いた音を、自分の耳で覚えて、その耳の記憶を頼りに色々な楽器などで真似して演奏していくことを指します。
下の動画は、実際にわたしが「ピアノで耳コピ」してみたものです。
ディズニー映画のオープニングでお城の映像とともに流れる「星に願いを」の耳コピになります。
いかがですか?
ピアノで耳コピを極めると、ここまで再現することが出来るのです!
ピアノだけではなく、他の楽器…ギターやドラム、管楽器、弦楽器…ありとあらゆる楽器などを使ってコピーすることももちろん「耳コピ」の類に入ります。
実は、みんな耳コピをしたことがある!
この見出しを見てびっくりされた方もいるかと思いますが、どういうことなのでしょう👀?!
例えば、自分の好きな曲を1・2節ほど抜き出して「鼻歌」を歌ったりした経験はありませんか?あれは、実は耳コピの一種なのです。知らない間に耳でその曲を空で覚え、口ずさむことができているのです。
このことから、人は誰しも無意識のうちに耳コピをすることが出来ていると言うことができます。つまり耳コピは、特殊能力なんかではなく、誰もが持っている能力です。
そして、それを極めることで、上記の《星に願いを》のような割と再現度が高い耳コピ演奏をすることができるというわけです。
耳コピで、役に立つことって?
耳コピができることによって役立つことは色々あるのですが、大きく分けて以下の3つに分けられます。
- 「聴く力」が鍛えられる
- 楽譜が書ける(脳内&五線紙)
- アレンジの勉強になる
「聴く力」が鍛えられる
耳コピができることによってまず鍛えられるのは、なんと言っても「聴く力」でしょう。
鳴っている音を耳を澄ませてよく聴くことにより、集中力が高められます。いったいどういうメロディーで、どういうリズムで鳴っているのかが、聴くたびに段々とわかるようになってきます。
ちなみに、どういうコード(和音)が鳴っているかを聞き分けることは、耳コピでは難易度が高めです。しかし、これは音楽理論(ドレミのことやリズム、コード(和音)のことを理解するためのもの)の知識を同時進行で深めていくことで、少しずつできるようになってきます。次回以降の記事で詳しく解説していきますね☺️
まずは、色々なメロディーや曲をたくさん「聴きまくる」ことによって、「聴く力」を養いましょう。
楽譜が書ける(脳内&五線紙)
聴く力が養われると次にできるようになるのが、実際に楽譜を書くことです。といっても2つのケースがありますので、分けて解説していきますね。
①脳内楽譜が書ける!
実際に五線紙に書くのではなく、まず頭の中(脳内)に楽譜を起こす(書く)ことが出来てしまいます!これはどういうことかというと、わざわざ五線紙を使って楽譜を書く前に、脳内で音符やリズムが自ずと出てくる(わかる)ようになるのです。わたしが耳コピをするときは、大概このやり方で行っています。メロディー、リズム、慣れてくるとコードが、実際に五線紙に書かなくても脳内に入れることが出来るのです。
②実際の五線紙に音符が書ける!
その次に、その脳内に起こされた「楽譜」から、耳の記憶を頼りに実際の五線紙にメロディーやリズムを音符で書くことが出来るのです。
これもまた、音楽理論を少しずつ理解することで出来るようになるものなので、ハードルはかなり上がるのではと思われます。
…なんだか難しく感じてしまうかもしれませんが、わたし自身は耳コピをするのに知っておきたい必要最低限の知識さえ身につけていれば、概ね出来ることだと考えています。
次回以降の記事で詳しく解説していきますので、今はまだフワフワと考えてもらって大丈夫ですよ。
アレンジの勉強になる
そして、これは実際に耳コピをしていて常に感じることなのですが、
「ここでカッコいいメロディーがあって、それに合ったカッコいいコードが使われていて、リズムもこんなにカッコよくて、だから素敵な曲なんだなぁ〜!」と思うことが多いのです。
耳コピで弾くだけにとどまらず、アレンジをする時にかなり勉強させてもらっているんですよ☺️良いアレンジには必ず、そう思わせるためのテクニックがありますから、それを自分の目や耳で見つけていくことができれば、アレンジする時のアイテムが自然と増えていきます。
わたし自身色々な曲をたくさん聴いて、実際にアレンジする時にあれこれと試していったこともあってか、アレンジの奥行きが出せるようになってきた気がします。
「良いアレンジは、良いアレンジャーになるための教材」と言っても過言ではないでしょう。
なぜわたしは、耳コピが好きなのか
ここまで色々書いてきましたけれども、なぜ、わたしは耳コピが好きなのでしょうか?
耳コピで人気者になれるから?!
よく知られている曲などを、再現度の高い耳コピで演奏すると、間違いなく周りから一目置かれるようになります。人気者になれるでしょう!ある意味モテ期到来のチャンスです(笑)
…と、大袈裟なことを書きましたが(笑)、確かに、極めれば極めただけの報いがあると言っても良いでしょう。
しかしながら、わたしが耳コピを好きな本当の理由はこちらです。
自分自身で自由に弾ける楽しさがあるから
ピアノは楽しく弾けてナンボ(そうじゃない時も多々ありますが、基本はこれ)だと思っています。
もちろん、「ピアノ演奏は耳コピが全て!」と言いたいのではありません。
きちんと楽譜を読んで、楽譜の通りに演奏するということはとても大事です。でも、耳コピでピアノを演奏する喜びを味わうことも、楽譜を読んで弾くことと同じぐらい大事なんじゃないかと思うのです。
「耳だけで弾くのでは、音楽の本質が見えてこない」なんておっしゃる方も多いですし、かくいうわたし自身もそう考えることが少なくないのですが…
前述したように、自分の耳を鍛えるという意味でも非常に勉強になりますし、何より、ピアノを弾くための視野がもっと広がるのではないかと思っています。
実際に聴いた音を真似して弾くというのは、最初は聴くだけでも精一杯かもしれません。でも、慣れてくると色々な発見があったりしますし、自分の好きな曲を耳で覚えてピアノで弾けるようになれば、楽しくなるし喜びだって感じられるはずです!
それに、普段の練習にプラスして、好きな曲を耳で覚えて自由にピアノを楽しむ時間があったって良いじゃないですか。
まとめ
耳コピは、今からでも遅くない!
さて、ここまで長々と耳コピについて書いてきましたが、いかがでしたか?
耳コピをするのには長い道のりで難しい…と感じた方も多いかと思いますが、今からでも遅くはありません。少しずつ鍛えていけば、簡単なメロディーの耳コピがすぐにできるようになりますよ!
耳コピで、ピアノ演奏の新たな視野を一緒に広げてみませんか?